05 3月 夢を持てない日本の若者たち。
前回は何らかの目的に向かって努力しながら生きていくことが人生を幸せにするという話をしました。
もちろんそれだけが全てではないでしょうが、いずれにせよ、現代の若者たちは自分の将来に対して余り夢や希望を抱いてはいないようです。
果たしてこんなことでこの国の未来はあるのだろうかと心配になってしまいます。しかも、世界中の若者がそうというわけではなく、どうやらこれは日本の若者に限っての問題のようです。
ゆとり教育や不景気のせいで若者が希望を持てないのだという見解もあながち間違いではないと思いますが、私自身は別の見解を持っています。いくら日本の景気が悪いとはいえ、食べるものや着るものに困っている若者はそうはいないはずです。人々の給料が減ってきているといっても、デフレのお陰で安くものも買えるので、生活も困窮することなくそれなりにやっていけるはずです。それに、大人たちの中にはこの過酷な社会状況の中で成功を収めている人たちが何人もいます。
それなのに、将来に夢を持てないのは、単に将来が明るく見えないからというよりも、むしろ大して真面目に働かなくても生活に困ることなくそれなりにやっていけるという生ぬるい状態が、かえって彼らの精神を弛緩させているのではないかと思うのです。困難に立ち向かって何か挑戦しようという意欲がそがれ、楽して暮らしたいという気持ちに落ちてしまったのではないでしょうか。
以下、ある新聞記事を転載します。
(転載)
日本の華字紙・中文導報はこのほど、日中両国の若者を比較する記事を掲載した。同記事は統計データを調査し、日本の若者は夢がなく、向上心が低いと結論づけた。アナリストは、「日本経済の衰退および貧富の差の拡大により、若者は未来に悲観的になっており、若者が夢を持てないことは社会全体の責任だ」と指摘 した。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。
世界最大の人材サービス業者アデコはこのほど、日本で働く日中の若者の人生目標などについて調査を実施した。その結果、日本で 働く中国の若者の9割が明確な目標を持っていた一方で、明確な目標を持っていた日本の若者はわずか3割しかいなかった。
現在の日本の若者は新しいことに興味を示さず、家で休暇を過ごす傾向が強まっている。マイカー購入を検討せず、活動範囲が狭く、最低限度の生活を送っている。これは「消費しない消費者」と呼ぶことができる。
文部科学省の教育研究機関は2012年8月、米国・中国・日本・韓国の7200人の高校生を対象にアンケートを実施した。そのうち「自分は価値がある」と回 答した比率は、米国が89.1%、中国が87.7%、日本が36.1%、韓国が75.1%となった。「自分に満足している」と回答した比率は、米国が 78.2%、中国が68.5%、日本が24.7%、韓国が63.3%となった。前の世代から見ると、日本の若者はかつての日本人が持っていた向上心と自信 を失っている。
就職氷河期の「失われた世代」、教育の「ゆとり世代」である日本の20代の若者たちは、未来を見据えリスクを避けようとしている。
財 団法人日本青少年研究所が12年に発表した「高校生の生活意識と留学に関する調査」によると、中国の6割の高校生は海外留学を希望しているが、日本の高校生の過半数は海外留学を希望しておらず、その理由の多くが「1人で生活する自信がない」などだった。また、文部科学省の調査によると、米国の大学に留学する日本の学生が急減しているという。
(転載ここまで)
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