28 2月 芸術に新鮮な驚きは必要だ。
芸術にはやはり新鮮な驚きがあった方がいいと私は思います。
というか、何の新鮮さも感じられない芸術作品というのは、結局、他の誰かが創ったものと似たり寄ったりで、大した想像力もなく創られたものだからだと言っても過言ではないのではないでしょうか。
その一方で、新鮮な驚きをもたらしてくれる芸術作品というのは、やはりそれなりの想像力が発揮されているという証左であり、だからこそ人はその作品に感動し、感心し、その芸術家を高く評価するわけです。
村上隆というアーティストがいますが、彼が多くの人に非難されてしまうのも、既に多くの人たちが制作し尽くしてきたようなアニメ・フィギュアのような作品を見せ方一つ変えただけで海外で高く評価されてしまったからで、人によっては彼のその行為がまるでパクリか詐欺行為のように見えてしまうからでしょう。
もっとも、ぼく個人としては彼のようなアプローチの仕方もありではないかと思っているのですが、やはりどちらかというと、アートという以上は既にあったようなものよりも、今まで見たこともないような作品、新鮮な驚きをもたらしてくれるような作品と出会えた方が嬉しいというのが正直なところです。
しかし、こと音楽の世界では、過去に既にあったような二番煎じのような曲ばかりが世間に数多く流通しているというのが現実です。
聴き慣れた曲の方が受けがいいから、という面もあるのでしょうが、それだけではなく、作り手側の想像力がそれだけ欠乏しているという面の方が大きいのではないでしょうか。
実際、音楽業界では出るべき音楽が全て出尽くしてしまったかのように考える人も少なくはないようです。
しかし、科学の世界においても、これまでずっとこれ以上の発展はないだろうと言われつつ、さらなる発展を繰り返してきたように、音楽の世界においても、今後、時代を経る毎に新しいアイデアが誰かによってもたらされ、それを基にまたさらに新しい音楽が創られていくという可能性もゼロではないと思います。
私自身、できればそのように多くの人々に新鮮な驚きをもたらすような素晴らしい楽曲を数多く創りたいと日々祈りつつ、精進しているところです。
上の作品は、二人の陶芸彫刻家 ベス・カバナー・スティッター (Beth Cavener Stichter) と アレッサンドロ・ギャロ (Alessandro Gallo) によるコラボ作品「Tangled Up in You」です。
陶芸作品でありながら、陶芸とは感じさせない驚きに満ちた作品だと思います。
他の作品も素晴らしいです。
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